“理想の夫婦”といわれたら、あなたはどんな夫婦のことを想像しますか?
私の理想は、“言いたいことを言い合える夫婦”。
これに尽きます。
私は性格がキツく、言いたいことを言わないと気が済まない性格なので、それを良しとしない相手とはうまくやれません。
「多少は我慢して相手に合わせないとうまくなんていかないでしょ!」と言われそうですが、私はそうは思いません。
“相手のためなら自分の意見を心の中に閉じ込めておくくらい余裕よ”という類稀なる精神力をお持ちの方も中にはいらっしゃるかも知れませんが、自分の言いたいことを死ぬまで我慢し続けることは、私には間違いなく無理です。
我慢して相手に合わせたとしても、結果的にいつか必ずボロを出すか、精神に異常を来すかのどちらかです。
一生を添い遂げると誓うからには、“この人なら本当の自分を受け入れてくれる”、“この人のことを受け止めてあげたい”と心から思える相手でないといけないと思っています。
あ、「受け止める」と言っても、相手の言うことをなんでもかんでも聞いてあげると言う意味では決してないですよ!
“相手がどう思っているかを(自分の考えはとりあえずおいといて)一旦受け入れる”という意味です。その後でもう一方の意見も出して話し合います。
一方夫はというと、自分の両親が衝突するところを何度も見て育ってきたこともあって、あまり自分の意見を言ってくれません。
私がそれを不快に感じて喧嘩になることがあるくらいです。
夫としては、(良い意味で)“波風立てずにうまくやりたい”、“平穏に、穏便にやり過ごしたい”というのが本音です。
“父親が母親に言ったようなことを自分は妻には言いたくない”と思ってくれているようです。
それはそれでとてもありがたいことだし、私にしたら見習わねばならないことかも知れません。
でも、私は夫に本音で接して欲しいのです。
夫が何を見て、何を聞いて、どう感じたのか、私は夫が話してくれたことを聞いて私なりに想像することしかできません。
夫がその光景を目にしたときにどんな感情を抱いたのか、どのくらい傷ついたのか、今はどう思っているのか。
正直私にはわからない。
夫からも「三華が言うように簡単にはいかないんだ」と言われました。
でも…
私はいつも言いたいことをなんでも話して聞いてもらっているのに、夫は私が感情的になればなるほど自分の意見を閉じ込めて、私の意見に同調してしまうのがたまらなく嫌なのです。
もしかしたら夫はほとんど無意識の行動かもしれません。
守りに入っている印象です。
でも、だから私はいつも不安になります。
夫の本音がわからない…。
自分ばかり言いたいことを言って、夫はスポンジのようにそれを全部吸い取ってしまうのです。
意見も、私の考えにいつも寄っています。
私は夫を自分の思い通りに動かしたいわけではないのに…。
それで最近ふと、私と夫の関係が、まるで義父と義母の関係を模倣しているんじゃないかと思うようになりました。
義父が私で義母が夫。
「争いを収めるには言われた方が我慢する」ということを両親の姿から学習してしまった夫は、ほとんど無意識の状態でそれを体現しているような気がするのです。
不在の多かった父親よりもそばにいた母親との距離の方が当然近く、まだ小さかった夫は母親の横で母親と同じ思いをしたのでしょう。
義父はプライドが高く、義母に何かを言われるとカッとなるタイプです。
自分が妻よりも上だというようなことを口にしているのもよく耳にします。
義父が義母に手を上げたこともあったと聞いています…。
それを目の当たりにして夫が受けた恐怖と心の傷は、私が思っているよりも深いのかもしれません。
でも、だからこそ、夫には本音をぶつけてもらいたいのです。
お義父さんが間違っていたことを認めて欲しい。
そしてお義母さんも間違っていたことに気付いて欲しいのです。
“親だって間違うことはあるんだ”と。
でも、“それでいいんだ”と…。
お義父さんはお義母さんの言うことに耳を傾けなければなりませんでした。そして、決して暴力を振るってはいけませんでした。
そしてお義母さんは、お義父さんの言い分も暴力も黙って受けてはいけませんでした。自分で言えないのなら、第三者に相談すべきでした。
(※実際には文字で書くように簡単にはいかなかったでしょう。恐怖で判断力が鈍り、動けなくなるという話もよく聞きます。でもここでは、夫が正しいことを学ぶために必要だと判断していますので、実際の状況は一旦横に置かせてください。実際に暴力を受けた方の気持ちを軽んじたり、踏みにじったりするのは私の本意ではありません。不快になった方がいらっしゃいましたら、この場で謝らせてください。申し訳ありません。)
そのことを夫が気付くことで、他の人間関係に両親を重ねる必要がなくなると思うのです。
『喧嘩をしても私たちはダメになどならない。だから本音で話して喧嘩もいっぱいしようよ!』とよく言います。
もとは他人同士ですから、気に食わないこともあるし、言われたくないことを言われることもあるけれど、言う前に自分が我慢するのではなくて、「自分はいやだ」ときちんと気持ちを伝え、相手も『そう言われても無理』だと自分の意思を伝える。
その上で折り合いをつけることが、夫婦が永く連れ添っていくためには必要不可欠だと思うのです。
双方が双方の言い分に耳を傾ける姿勢がなかったら、一緒にいてもどちらかが息苦しくなるだけです。
相手が全く聞く耳を持ってくれない方は、きっとものすごく我慢を強いられ、苦しい思いをしているでしょうね。
残念なことに、言ってもわからない人というのも一定数存在しますから_| ̄|○
私がなんでも言い散らかすせいで、夫が息苦しく感じているのではと心配なのですが、そのことも私は隠さず夫に話しています。
夫も少しずつ自分の意見を口にするようになり、先日珍しく口論から双方がヒートアップした激しい喧嘩に発展しました。
「はじめてこんなに激しい喧嘩したね。これからもいっぱい言いたいこと言って喧嘩しよう!」と言って仲直りしました。
言いたいことがちゃんと相手に伝わると、気持ちは必ず落ち着きます。
ヒステリックな私でも『言いすぎた…ごめん』が言えるのですから本当です(^^)
相手と良い関係を続けていきたいのなら、言いっぱなしも言われっぱなしも絶対にダメです。
とりあえず言うこと言って少しだけスッキリしたら、相手の言うことにも耳を傾けること。
言っても聞いてもらえず、言われっぱなしがキツイなら、別の誰かに聞いてもらいましょう。
相手が自分の意見を突っぱねたからといって、自分が全否定されたと思うのは早合点です。
相手が怒って手をあげるのをあなたのせいにしても、あなたは何も悪くありません。そのことを決して忘れないでくださいね。
“自分に考えがあるように、相手にだって相手の考えがある”
それが見えていない相手には、はっきり言って何を言っても無駄です。
「相手の気持ちになって考えましょう」
「暴力を振るってはいけません」
「ごめんなさいとありがとうを伝えましょう」
幼稚園で教わったことは、人間関係を築く上での大切な礎です。