夫が非定型発達?かもしれない

先日夫がすこぶる暗〜い表情で帰宅しました。

普段から『たっだいまー!(^0^)/』なんて元気に帰ってくることはほぼないですが、明らかに影を背負って帰ってきたので心配になり、『なんだ!どうした!何があった!?』と聞きましたが、答えが返ってきません。

“限界きてるなコレ…”と背中で観察しつつ、しばらく放ってそっとしておいたら、そのうちに自分からとつとつと話し出しました。

上司から、自分と同じ立場の人間複数が集められてある一つの仕事の指示をされたそうなのですが、自分もみんなも通常の仕事で手一杯でその仕事になかなか手がつけられずにいたら、上司が自分に進捗状況を聞きに来たり、期限を念押ししに来たりしていたそうなんです。

『なんで俺にだけ言うんだよ』みたいなことを夫が言っていたのは何度か聞いていて、「言いやすいんじゃない?」とか「みんなに相談してみたら?」なんて軽く返していました。

それで夫は、なんとか時間を見つけては自分でできるところをやったりしていたそうなのですが、ついに先日終わらせられないまま期限の日が訪れてしまい、自分だけがしこたま叱られた…と言うお話でした。

『他の誰もやってなかったけど自分は時間見つけてやったのに…なんで俺だけが怒られるんだよ』と本人は言っていましたが、私は聞きながら色々と思うところがあったので、つい口を挟んでしまいました。

私は仕事のできるタイプではありませんが、責任感には自信がありまして、夫と自分の仕事に対する意識の差に常々モヤッとしておりました。

※夫は仕事の失敗やら不満やらを家で話すタイプです。

以下水色の文字が夫の言葉でピンク色の文字が私の言葉です。

夫:俺だって手回らないのに休み時間削ったりしてやってたのに!なんでいつも俺にばっかり言うんだよ。なんで俺だけ怒られるんだよ。

私:うーん^^;上司はさ、みんな(夫と同じ役職のみんな)の前でみんなに向かって仕事をお願いしたけど、後から夫に進捗を聞きに来たってことは、夫に指揮を取って進めてくれってことだったんだと思うよ。夫に言いにきたからって、“お前が1人で全部やれ”って意味じゃなくてさ。誰かできる人を見つけたりして上手く進めてくれよ、任せたぞって言いたかったんだと思うよ。

夫:!!

私:みんなに言われたことでも、一人一人が自分の仕事だと思って取り組むのが会社員の務めだと思うよ。その点で言えば、その場にいたみんなも私からしたら無責任だなと思うけど、だから上司はそれをわかってて、夫に“みんなに掛け合って進めてくれよ!”って意味で発破を掛けにきたんだと思うよ。

夫:うん。そういえば前に『お前が一番上(入社順)だろ』って言われたことある。…俺が率先してやんなきゃいけなかったんだ。

私:うん。そう思う。

夫:上司が言いにくるまでは、みんなに言われたことだし、自分以外の誰かがやるべと思ってた。

私:!(◎_◎;) (おいおい)

会社の上司とのやりとりでこういう行き違い?がちょくちょくありまして、それの積み重ねで最近どんどんゲッソリしてきました。

夫は相手の言葉の意味を言われたまんま受け取るようなところがあります。

さすがに『頭を冷やせ!』と言われて氷水につけたりはしませんが(笑)、言わないけど言葉の後ろにつづいているであろう言葉を汲みとったり、言葉の裏に隠された意図を想像したり、相手の気持ちをおもんぱかったりするのがとても苦手なようなのです。

私は夫が仕事するところを見たことがないので本人から聞いた話で推測して話しますが、夫にはまず仕事に対する意欲がないです。

いや、誰だって仕事なんて心からやりたいなんて思ってないと思いますよ?でもみんな制服着て出勤したら仕事モードに切り替えて割り切って仕事してるんじゃないんでしょうか?

でも聞いていると、どうやらその切り替えが全然できていないようなのです。

だから、上司から頼まれてもやらないで済むならやりたくないと考えるし、今回のように自分から動こうとしないで叱られたりしているようです。

40を過ぎたいい大人であるにもかかわらず、面倒なことややりたくないことから逃げるようなところがあります。

そしてそれは、やったことのない仕事に対する不安が強いことが一因ではと思っています。

これはプライベートで行ったことのないごはん屋さんに入るのをためらう様子からもわかるのですが、やったことないこと、行ったことのない場所などに戸惑うところが見受けられます。でも、一度入ってしまえば2回目以降は自ら提案してきたりするのです。

未知との遭遇に極度の不安を感じる性分のようです。

それから、“こっちの方がすんなり行くんじゃない?”と思うやり方を提案してくれているのに、自分が納得できなくて自分のやり方を貫いてしまい、アドバイスをくれた人との間に微妙な空気が流れる…という場面にたまに出くわします。

一例を挙げてみますと、私の知人と一緒にゴルフに行った時の話なのですが、知人がそのゴルフ場を熟知しており、夫に『このホールは近く見えるけどそのクラブじゃ届かないよ!』って忠告してくれたんです。『二番手上げな』って言ってくれたのですが、夫の脳内は“残り〇〇ヤードだから絶対このクラブ!”と思い込んでいて、今持っているクラブから変えたくない。でも、知人は絶対の自信があるので強めに忠告を重ねてくれました。

そして結局夫はどうしたかというと、一番手だけ上げて打ちましたが(知人は「まだ信じてない(笑)」と言っていました)グリーンに届かず、知人にも失礼してしまうという羽目になりました。夫は「おかしいな」みたいな顔をしていました。私は小声で知人に謝りました。

私は、教えてくれたことが嬉しくて、言われた通りに持ち替えて打ち、グリーンに載せることが出来ました。でも例えそのクラブで打って飛びすぎていたとしても全然気になりません。言われて気にしないような相手なら、冗談半分で『ちょっとー!でっかいじゃん!』とは言うかもしれませんが(笑)

家に帰ってから夫にその時の考えを聞いてみると、残りのヤードと自分のクラブの飛距離が合っていたことにかたくなになっていて、まだ納得がいっていない様子でした。

私は自分の知人に夫が取った行動が悲しくて、

『知人は自分であのコースを何度も回った経験をもとに、風向きやらなんやらを加味して忠告してくれたんだよ!あなたは知人が良かれと思って教えてくれたことを跳ね除けてまで自分を貫いて、知人の顔に泥を塗ったんだよ!挙句結局グリーンには載らないし。自分が忠告したことを無視されたら悲しくない?失礼なことしたとは思わないの?』

と言ったら、やっと自分が失礼な態度をとったことに気がついたようでした。

仕事でもたまに似たようなことがあると言っていました。

こんな風に、人の好意をむげにしてまで、強固に自分を貫いてしまうところがあります。

そして当の本人は、相手に失礼なことをしたという認識は全くありません。

それから、一度に複数のことを考えることが苦手のようで、車の運転でよそ見をしては、私が『青だよ!』と声をかけるまで信号に注意を払う意識が戻ってこなかったり、二車線の時に隣の車線の車と並んで走ってしまって、後ろの追い越したがっている車に気づいていなかったり、しかもその車があおってくると短気を起こしたり。もちろんあおるのは良くないことですが、その前に自分が車の流れを妨げていたことには全然気が行かないようなのです。

なので、一度にたくさんのことが舞い込んできたりすると、キャパオーバーでパニックになってしまい、仕事場では『落ち着け、焦るな』と良く言われると言っています。

1人でテンパっていると言う状況です。

叱られたら叱られたで、叱られた内容ではなく“叱られちゃった”と言う事実が脳内を埋め尽くしてしまって他のことが考えられなくなると言います。

最近やたらとこういったことが頻発しており、仕事自体や仕事仲間に影響を及ぼしているのが目につくようになり、ん?もしや…と思いました。

かくいう自分もなかなかの変わりもんなので人のことは言えないのですが、

“変わった人だとは思っていたけれど…もしや、グレーゾーン?”

と言う思いが頭に浮かんできました。

細川貂々さんという漫画家さんが水島広子さんと言う精神科医の監修のもと書かれた『空気が読めなくてもそれでいい。』と言う書籍を見つけて読んでみると、なんだか近いように感じました。

細川貂々さんは、水島先生から“非定型発達のASDタイプ(自閉スペクトラム型)”と診断されました。

少し勇気が入りましたが、悩みを解決させる一助になるかもと思い、夫に読んでもらいました。

夫は『まんまじゃね。』と言いました。

障害までは行かないけれど、神経発達にかたよりがあるのかも…

それが生きにくさの原因になっていたのかも…

夫が“非定型発達”かもしれないと言うのはあくまでも夫と私の独断ですが、夫が自分を責めるのをやめるための手助けになればと思いました。

“このままの自分でいいんだと認めないと前に進めませんよ”と書いてありましたが、この最初の一歩が最大の難所なのではと思いました。

だって、本人は今までずっと「自分はダメだ」と思いながら、でも「なんとかしなくちゃ」ともがいて生きてきたのですから。その意識を変えていくには相当時間がかかると思いました。

この本を一緒に読んで、自分の感覚では『言わなくてもわかるじゃん!』と言うことでも、夫には言わなきゃわからないことが今までにたくさんあったんだろうなと知って、申し訳なくなりました。

夫から「こういう時はどう言えばいいの?」とか、「こう言われたんだけどどう言う意味かな」と聞かれるようになり、答えられる範囲で答えています。

発達にかたよりがあろうがなかろうが、夫の生活が少しでも楽になる手助けができればいいなと思っています。

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