素敵なご婦人

神社参拝が大好きな嘉藤です。

先日も大好きな北海道神宮へ参拝に行って来たのですが、今日はその時の出来事を書きます。

仕事の関係で最近ふさぎ気味な夫がボソッと「神宮に行きたい…」と言いました。

我が家は、近所を散歩しに行くような感覚でちょくちょく北海道神宮に出向くのですが、参拝の目的はご挨拶と報告とお礼が主で、お願い事はほぼしません。

夫が神宮に行きたいと言った裏には、「離縁の鳥居」と言われている第二鳥居をくぐって表参道を通り、現在の悪い流れを断ち切りたいという思惑がありました。

夫は鳥居の前で会釈をし、左足から鳥居をくぐると、一人でゆっくりと長い表参道の左端を歩いて手水舎(ちょうずや…手と口を清めるところ)へ向かいました。

第二鳥居は北一条通に面しており、表参道の延長線上真正面に本殿があります。参道の両脇は桜並木になっているため、桜の時期はとても華やかです。

この第二鳥居は縁切りの効果があると言われているので、病気や不幸などの縁を切りたい時にくぐって参拝すると良いそうです。…でもカップルやご夫婦で行く際は、時間差でくぐる方が良いみたいですよ(^^;)

長〜い表参道です。参道の真ん中は「正中」と呼ばれ、神様の通り道と言われています。通る際は右端か左端を歩きましょう。

一方私と子どもたちはというと、円山動物園側で先に下ろしてもらい、「金運」をアップすべく第三鳥居をくぐってノリノリで境内へ向かったのでした(^^)v

鳩さんが歩いていました🕊

表参道とぶつかる地点で夫を待つ間、お手洗いを済ませておこうと女子トイレに入ると、あまりの汚さに唖然…言葉を失いました。

個室の洋式便器に腰をかけると左前方に汚物を入れる為のバケツがおいてあるのですが、そのバケツから、使用済みと思われるトイレットペーパーが床まで溢れているのです!

右手で個室のドアノブを引いたまま、顔が引きつって一瞬動けなくなりました。

トイレの扉の内側には三カ国語くらいで「使用したトイレットペーパーはトイレに流しなさい」と書かれた注意書きが貼られていました。

郷に入っては郷に従え」という慣用句が頭の中をグルグルと回っては消えて行きました。

用を足した後、手にトイレットペーパーを五・六重に巻いて、床に散乱しているトイレットペーパー達をバケツの中に押し込みました。

素手で触れるのは物凄く嫌だったけれど、そのまま放置する方がもっとずっと嫌だったんです。

自分が入った時よりも綺麗にして出たのに気分が晴れなかったことは初めてでした。

そして手を洗おうと洗面台に向かうと、今度は洗面台が見事なまでに水浸し…なんなのこれ。

自分の大好きな場所が穢されたような気がして、物凄く気分が悪くなりました。

重い気分を背負ってお手洗いを出ると、それとは対照的に清々しい顔をした夫が参道をズンズン歩いて来て合流。

手水舎で手と口を清めて本殿へ向かうと、結婚式中の御一行が階段のところで記念撮影をしている場面に出くわしました。

縁起が良いなぁと少し嬉しくなりました。

そしてお詣りした後、祈祷受付で御朱印をいただき、帰りにまたお手洗いに寄ると(道中車内でコーヒーを飲んだもので利尿作用が…笑)、先ほど入った個室の床にもうはやトイレットペーパーが散乱している…_| ̄|○

心が折れました。

渋々と用を足し、今度は床のトイレットペーパーを踏まないようにそのまま出ました。

そして手を洗おうと洗面所に向かうと、一人のご婦人がご自分が持参したと思われる布巾で洗面所を綺麗に拭いていました。

顔を見ずともその方が日本人だと言うことがわかりました。

手を洗った後、気がついたら私はそのご婦人に「ありがとうございます」と声を掛けていました。

ご婦人は、「酷い水浸しよね。バッグを置きたいのに置けなくてね。いつも参拝に来たときには、こうして綺麗にして帰るようにしているの。」とおっしゃっていました。

私がもう一度「ありがとうございました」と言うと、「どういたしまして」と微笑んでくださいました。

汚れたトイレの空間だったけれど、とても気持ちが良くなりました。

トイレから出た後、自然と涙が出ました。

自分の方が先に気がついていたのに見て見ぬ振りをしてしまった罪悪感と、先ほどのご婦人と同じ日本人であることへの誇らしさと嬉しさからだと思います。

文句を言う前に自分が行動に移そう。

私もこのご婦人のようになろうと思いました。

素敵なご婦人と会えて良かったです。

トイレに限らず、公共の場はみんなで綺麗に使いましょう。

最後に北海道神宮の由緒を簡単に(?)ご紹介します。

北海道総鎮守 北海道神宮

北海道の開拓・経営を行うため、明治二年九月一日に東京の神祇官(神社を管轄する国の機関)において、明治天皇の勅使(ご意志)により開拓の守護三神を祀る「北海道鎮座神祭」が斎行されました。これが北海道神宮の創祀とされます。

その後、三神の御霊代は品川港から函館へ、函館から銭函の仮役所に仮安置され、同年十二月に札幌に入り、現在の北二条西一丁目の「札幌第一番役宅」に御霊代を奉遷(神体などを他へお移しすること)しました。

明治三年五月には、現在の北五条東一丁目の仮社殿に遷座(神仏を他へ移すこと)し、明治四年五月十四日に「札幌神社」と社名が定められ、同年九月に現在の円山の地に社殿が完成します。

開道三十年を迎えた明治三十二年に社格は官幣大社に昇格。

大正二年、それまでの仮社殿は改められ、伊勢神宮社殿の古材の下附により造営され、昭和三十九年十月五日、明治天皇がご増祀となり、「北海道神宮」と改称されました。

御祭神

大国魂神(おおくにたまのかみ)…北海道の国土の神

大那牟遅神(おおなむちのかみ)…国土経営・開拓の神

少彦名神(すくなひこなのかみ)…国土経営・医療・酒造の神

明治天皇(めいじてんのう)…近代日本の礎を築かれた第百二十二代の天皇

北海道神宮パンフレットより一部引用

にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログへ
にほんブログ村


人気ブログランキング