次男入院 No.4(完)

◁前回の続き

次男の入院記録の最終記事です。

転院後の経過

転院直後の骨髄検査の結果により、白血病や骨髄異形成症候群ではないとわかってホッとした私たちでしたが、次男の熱は下がらないままでした。

この時点の次男は、流石にグッタリしていました。

食欲も無く、ほぼほぼ横になっていました。

この転院初日の夜中に一時的に40度を計測しました。

看護師さんが夜中二時間置きくらいに体温を測りに来てくれていました。

簡易ベッドの寝後心地の悪さと次男の熱の高さで浅い眠りを継ぎ接ぎしながら朝を迎えました。

転院二日目の朝6時の体温は37.5度。

お昼ご飯にはハンバーグが出て、久々にたくさん食べました。

ヤクルトも出たのでグビグビ飲んでいました。

この日はおしっこの回数が多かったと記録が残っています。

夕方、お父さんと長男と初めてテレビ電話をしてみました。

少しの時間でしたが、久々にみんなでたくさん笑いました。

離れているのに顔を見て話ができるっていいもんだなと思いました。

脳みそが、直接会っていると勘違いしているように感じました。

レモンや梅干しを想像すると反射でよだれが出ることからもわかるように、脳は結構簡単に騙されてしまうものです。

なので逆に言うと、悪いこと、悲しいことばかりを反芻することも精神に悪影響を及ぼしかねないということ。

この半年間、私は次男の発熱のことで不安ばかり抱いて過ごしていました。

少しのことで涙がでたり、イライラしたり、メンタルはかなり不安定になっていました。

このテレビ電話の一件で、どうせ脳みそが騙されるなら良いことで騙して楽しく過ごそうと思いました。

「大丈夫大丈夫」

根拠なんかなくても。確証なんか持てなくても。

「もう絶対ダメだ」なんて言ったら、大丈夫だったものまで本当にダメになってしまうかもしれない。

脳みそには良くも悪くもそういう癖があるということに合点がいってからは、自分の思い癖に気付けるようになって少し気持ちが楽になりました。

その日の夜遅く、次男は大量に発汗し、翌日(退院三日目)の早朝には36度2分まで熱が下がっていました。

汗でおでこに張り付く次男の前髪をタオルで拭きながら、「やっと下がった…」と思いました。

日中は37℃代前半をチョロチョロしていましたが、夜には36度5分前後で安定し出しました。

退院四日目、発熱12日目にしてようやく解熱しました。

お昼にシャワーの許可が下り、体力と筋力が落ちてしんどそうにしながらも、9日ぶりにシャワーを浴びてサッパリして嬉しそうな次男の顔がキラキラ輝いて見えました。

回診に来た先生が、ずっとベッドに横になっていた次男が初めて座っているのを見て、「熱下がって少し元気出て来たね。月曜日の朝にまた血液検査と尿検査をするからね」と言い、次男が「はい」と返事をしました。

鼻と喉にグリグリされる必要のない採血と尿検なんて、この頃にはもうお茶の子さいさいの次男なのでした。

この日は土曜日だったので、検査は二日後。

熱の下がった次男にとっては、ありがたいことにヒマな週末を過ごすことになりました。

退院と退院後の外来受診

すっかり熱も下がり、ニョキニョキと元気を取り戻した次男は、転院6日目の朝の血液検査と尿検査を見事パスして退院の許可が下りました。

原因不明のままなので、まさか退院できるとは思っていなかった私と次男は、思いがけない退院の許可に面食らって、一瞬固まってしまいました。

血液検査の結果では、肝臓の数値も回復傾向を示しており、まだ基準値には達していないものばかりではあるものの、白血球やヘモグロビンや血小板もしっかり増えて来ており、基準値の一万倍だった尿中β2マイクログロブリンとやらも基準値の4倍程度にまで下がっていました。

昼頃に退院の許可が下りましたが、夫の仕事の都合がつかずに翌日の朝に迎えにきてくれることになり、次男は今すぐにでも帰りたいとゴネていましたが、「退院が決まったのだからあと半日くらいなんでもないでしょ」となだめて、翌朝に無事退院しました。

結果的に転院先の病院では、初日の骨髄検査と、血液検査と尿検査を3回ずつ、便検査を1回実施してもらい、解熱剤や抗ウイルス薬などは一切使用せず、唯一施されたのはフィジオという点滴のみでした。

白血病の疑いが検査で晴れた後は、次男の体が自力でウイルス?に勝って解熱するのを各種検査をしながら見守ってくれていたということです。

退院が決まっても、次男の発熱の原因は“不明熱”としてわからずじまいになりました。

退院してから二週間後の外来では、骨髄染色体とNK細胞活性検査の結果に異常は無かったと言われました。

また、この日の血液検査では、肝臓の数値も白血球も赤血球も血小板も基準値ど真ん中を示しており、風邪をやっつける好中球も3倍になっていたので、心底安堵しました。

肝臓の数値と白血球数が基準値内におさまったのは、ここ半年間の血液検査で初めてのことです。

リンパのしこりも触診してくれて、小さくなっていることを確認してもらいました。

今度こそ本当に大丈夫だと思える結果をもらい、天にも登る気持ちで帰宅しました。

そして現在

次男が退院してから二ヶ月が経過しました。

あれから次男は一度も発熱していません。

今日も元気に通学して行きました。

首にあったリンパのしこりは、もう触ってもどこにあるのか確認できません。

先日、二度目のコロナワクチンを恐る恐る接種して来ましたが、接種部位の痛みのみで発熱はしませんでした。

次男は現在6年生ですが、早生まれでまだ11歳のためワクチンの量が12歳の子よりも少なかったのですが、退院後それほど間のない次男にとっては、逆に良かったと思いました。

もうすぐ修学旅行があるので、熱を出ずに元気に行って来てほしいと心から願っています。

長々と書き綴ってしまいましたが、以上、半年にわたる次男の不明熱の締めとなった入院記録でした。

元気があれば、なんでもできる!

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