心室中隔欠損症で産まれた長男

心室中隔欠損症とは

「心室中隔欠損症」という病気をご存知ですか?

心室中隔欠損とは、心臓にある4つの部屋(左心房・右心房・左心室・右心室)のうち、左心室と右心室の間の筋肉の壁に孔(あな)が空いている状態をさす病名で、先天性(生まれつき)の心疾患の一つです。

1000人に2〜3人の割合で発症し、そのうちの約半数は生後一年以内に自然封鎖することが知られています。(特定非営利活動法人日本小児外科学会より引用)

症状はほとんどないごく軽いものから、呼吸が荒くなり、ミルクを飲むこともままならなくて体重が増えなかったり、肺高血圧症を併発してチアノーゼを起こすほど重篤なものまで様々です。

気をつけなければならないこと

私の長男は、心室中隔欠損症です。

産後の退院時検診の際に心雑音がみとめられ、総合病院で精密検査をしたところ、心室の壁に小さな孔が見つかりました。

幸いなことに孔は2〜3mm程度とかなり小さく、目立った症状もありませんでしたが、「孔が大動脈弁の直下(開いたり閉じたりと常に動きつづけている場所)に位置しているためふさがりにくいこと」「このままふさがらなければ大動脈弁が変形する恐れがあること」「万が一弁が変形してしまうと手術が大変になること」などを説明されました。

併せて、“孔の大きさだけ見るとすぐに手術する必要はないが、この位置に孔があいている時点で、孔の大小に関わらず手術をする医師もいる”という説明も受けました。

長男の主治医は、手術をしないで様子を見て行きましょうというスタンスでした。「時間が経って今よりも医学が進歩すれば、もっとローリスクの処置が可能になるかも知れないしね。例えば飲むだけで心臓の穴がふさがるカプセルとかさ!」と前向きになれる言葉を掛けてくれたのを覚えています。

また、この病気は虫歯にも注意が必要です。重症な虫歯になって虫歯菌が心臓に運ばれてしまうと、命に関わる病気(細菌性心内膜炎)を引き起こす恐れがあるそうです。歯科医で治療する際にも、心疾患がある旨を歯科医師に申告しなさいと言われています。

長男が初めて迎える冬には、「シナジス」という予防接種を受けるよう勧められました。

シナジスって何?

シナジスとは、冬に流行するRSウイルス感染症の重症化を防ぐための予防接種で、ものすごく高額な注射です。当時で50ml辺り8万円くらいだと聞いて、目玉が飛び出た覚えがあります。

そしてこの注射、用量が体重1kgに対して15mlと定められており、体重が増えるごとに打つ量がどんどこ増えていきます。

長男の場合は2歳になるまで毎シーズン接種しましたが、体重が増えると両ももに接種するので毎回泣きました。しかも一本ずつの量が増えるので全部打ち終わるまで押さえつけておかねばならず・・・かわいそうでした。(ももの筋肉は大人でも痛いよ…)

しかもこれを10月から2月の間まで毎月です。

長男くん頑張りました。

そして額面ですが・・・

長男が2歳までに打った量の合計は、1,365mlです。1本8万円として単純計算すると、

80,000円×27.3本(1,365ml÷50ml)だから

2,184,000円!!

・・・

製薬会社に勤めたかった。

もちろん我が家がこの額を全額負担したわけではありません。無理です(汗)。長男の心疾患を始め、保険が適用になるケースが6つありますので下記をご参照ください。

シナジスの保険適用対象

RSウイルス感染流行初期において

1.在胎期間28週以下の早産で、12ヶ月齢以下の新生児および乳児

2.在胎期間29週〜35週の早産で、6ヶ月齢以下の新生児および乳児

3.過去6ヶ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヶ月齢以下の新生児および乳児

4.24ヶ月齢以下の血行動態に以上のある先天性心疾患(CHD)の新生児・乳児および幼児

5.24ヶ月齢以下の免疫不全を伴う新生児・乳児および幼児

6.24ヶ月齢以下のダウン症候群の新生児・乳児および幼児

※さらに、私の住んでいる地区では医療費を全額負担してくれるので、無料で接種できました!じゃないと無理です。三割負担でも60万ですよ・・・

現在は

我が家では、主治医と相談して現在も手術をしていません。長男は変わらず元気です。

半年ごとだった検診は、小学校に入学してからは一年に一度になりました。先生は、多分一生手術をしなくても影響は出ないんじゃないかと思うくらい小さい孔だと言ってくれています。心臓が成長とともに大きくなっていて孔はそのままなので、穴の影響はどんどん小さくなるだろうという見解です。

もちろん絶対ではありません。

それでも我が家は、心臓手術を受けるより現状維持の方が安全だと判断して現在に至ります。息子が天寿を全うするまで全く影響がないかも知れないし、のちのち大動脈弁が変形して急遽大手術が必要になるかも知れません。

どっちにしても、全てにおいて私たちが私たちで決めたことです。

今改めて思うことは、家族が全員揃っていられることはとても有難いということ。

今日も全員元気で過ごせたことに、心から感謝します。

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