“大人って自分たちが思っているほど大人じゃないよな”
先日近所のスーパーで店長を大声で罵倒しているおばさんを目撃しながらふと考えたことです。
なんでわざわざみんなのいる前で、目の前にいる店長相手にそんなに大きな声で叫ぶ必要があるんだろう…と思って白〜い目で見ながら横切りましたが、当のおばさんはそんなお客のことなど全く気にならない様子で、収まらない怒りを店長にぶつけまくっていました。
一方の店長も、店長という立場上声を荒らげる訳にはいかないと思ってひたすら我慢している様子でしたが、流石に後半は引きつった表情になってきて、うっすら血管💢を浮き立たせながらチクっと嫌味を返したもんだからさぁ大変。燃え盛るおばさんに油を注いじゃった!
私の目的は野次馬ではなく買い物ですから(笑)、おばさんが何に怒っているのかまではわかりませんでしたが、『私だってそんなことぐらいわかるよ学校出てるんだから!』みたいなことを言っていたので、店長の一言が自分を馬鹿にしているように聞こえて怒り狂っているらしいということが推測できました。
私はごまドレッシングとオニオンドレッシングを交互に眺めながらどっちを買おうか悩んでいる頭の片隅で、“学校を出てる出ていないの前に、公衆の面前で大声を張り上げるその姿は大人としてどうなんでしょうね”などと思っていました。
同時に、チクっと言い返してしまった店長のことも少し残念に思いました。
相手の怒りの燃料が切れるまで黙って言わせておけば良かったのに、店長の一言が燃え盛るおばさんに薪をくべて余計に焚き付けてしまった…。
私も自分が店長だったら言い返したくなったと思いますが、側から見ているとどうすべきかが良く見えました。
そのあと、店長が『他のお客様もいらっしゃいますし、今日のところは…』とかなんとか言って、おばさんも少し冷静さを取り戻して帰って行きました。
時間にして20〜30分。
騒然としていた店内が一気に穏やかになりました。
帰りながらいろんなことを想像しました。
おばさんが本当に腹が立っていたのは、実は店長に対してじゃないんじゃないか。
家庭内で旦那さんと上手くいっていないとか、介護が必要な親と同居していて余裕がないんじゃないかとか、嫁との仲が悪いとか、一人暮らしで寂しいのに息子も娘も連絡もよこさないとか、更年期障害でイライラしてしまうとか、金銭に余裕がないとか、そんな鬱憤がたまっている矢先に店長となんかしらのイザコザが発生して、全ての矛先が店長に向いてしまったんじゃないか。
そしておばさんが吐き出した怒りを受け取ってしまった店長までが余裕をなくしてしまったのではないかと。
…我ながらものすごい妄想力ですが(笑)
でもそういうことって至る所で起こっているように思います。
自分に余裕があったら軽くかわせることでも、自分のメンタルコンディションによってはグサリと刺さって抜けなくなってしまうことがあります。
何に腹が立つのか。
どうして腹が立つのか。
自分では気付いていないことも多い。
先日の話です。
長男が算数の授業中に先生の指示とは違う方法で問題を解いており、隣の子にやり方をとがめられました。
長男の言い分によると、誰かが話しているのを聞いて、その方法でやってはいけないと勘違いをしていたようでした。
で、そこで終わっていれば直して終わりで済んだのですが、向かいの子にも『そのやり方じゃダメだよ!なんでそうやったの?』と突っ込まれ、挙げ句の果てには先生にまで『直しなさい!』と言われてしまい、『勘違いしていた』と言えなかった長男は、わかっていることを再三注意されたショックで、そのまま机に突っ伏して泣いたと話してくれました。
私も長男と次男の喧嘩の場面などに出くわすと、大して話も聞かずに泣いている方をかばったり、双方を叱ったりしてしまうのですが、良く良く話を聞けばそれぞれにきちんと言い分があるんですよね。
自分が聞くと「でもそれおかしいよ!?」と思うようなことでも、当人にとっては一大事な訳で。
そこを否定せずに最後まできちんと聞いてあげてはじめて『あれ。自分も悪かったのかな…』とやっと自分の方にも目が向くようになるんですよね。
おばさんと店長の口論の一部を切り取って一人でそんな妄想を繰り広げながら帰宅しました。
大人も子どももおんなじですね。