「子供をダメにする母親」という表現に物申す!

こどもをダメにしたい親などいない

「こどもをダメにする親」という表現をどう思いますか?

ウェブサイトや書籍などで良く見かける、なかなかに強烈なタイトルですよね。

そして「母親」と限定して書かれることが非常に多いです。

こどもを守るという視点で書かれていることは良くわかりますが、母親修行中で自己嫌悪を繰り返す身としては、この言葉を見る度に身に積まされる思いがする一方で、どうしても不快感を覚えてなりません。

まず「ダメ」という言葉が非常に引っかかります。

今回は少々鼻息の荒い記事になる予感がしていますが、「こどもをダメにする母親」の代表として、一言物申したいと思います。

「アンケートを実施して統計を取りました」

「教師をしていました」

「カウンセラーをしていました」

「〇人のこどもを育てました」

などなど、こどもと接した経験のある方が書かれていることがほとんどだと思いますが、読み進めて行くと、同じことを書いていても最後までどんどん読んでしまう記事と、すぐに読みたくなくなる記事とがあります。

「最後まで読めないのは痛いところを突かれているからでは?」

確かにそうかもしれません。

ですが、そもそも私がそういったサイトにアクセスしたり書籍を探して読んだりするのは、自分のやっていることが間違っていると自覚しているからに他なりません。

このままだと自分がこどもをダメにしてしまうかも知れない」という不安があるから、わざわざ愉快とは程遠いタイトルを検索して自分と当てはめては、反省したりホッとしたりしてしまうんです。

そこに書かれていることが必ずしも正解ではないのにね。

「わかってるなら正しく教育すればいいのに」と一番思っているのは自分です。やりたいのにできないから悩んでるんだし、できるならとっくにやってる。

こどもが可哀想?それこそ他人に言われずとも自分が一番思ってます。その思いが強すぎるからこそ日々悩んでいるんです。

愛する我が子と上手に向き合えず、哀しい顔をさせて平気な親などいません。

「こどもをダメにする親」と言い切っている人たちに言いたいことは、「こどもをダメにする親」は「こどもをダメにするつもりなど微塵もない」ことをご存知の上でおっしゃっているんでしょうか?ということです。

親の思いは「こどもにとって一番良い方法で我が子を育ててあげたい」。

それ以外にありません。

そんなことはわかっていると思っておいでかも知れませんが、少なくとも私が途中で読むのを断念した記事や書籍の数々からは、そういった親の思いを汲んでくれているようなニュアンスを感じ取ることは出来ませんでした。

親に寄り添った書き方でないだけでなく、肝心のこどもにも寄り添っていない気がしたんです。自分が思ったことを書きたいように書いただけに思えました。

彼ら・彼女らのいう「ダメになったこども」が大人になった姿が、「今我が子をダメにしそうになって不安になっている私」のような気がしてならないのです。

だからきっと親のせいでダメになったといいながら、その子が親になった途端に「今時の親のしつけはなってない!」などと急に手のひらを返す言い方をするのでしょう。

やり方を知らないのにどうやって上手に躾ができましょう。

子どもを育てるって、自分の意思でなんとか出来るような底の浅い問題ではないんです。

親の親のそのまた親から受け継がれてきた由々しき問題だと確信しています。

何世代にも渡って母親だけに責任を押し付ける悪しき風潮はいい加減にやめていただきたい。

たまたま自然に上手く子育てができるお母さんもいるでしょうが、その方が稀だということに気がついてもらいたいもんです。稀な存在を基準にするなと声を大にして言いたい。

「レシピ通りに作れば誰でも同じように美味しい料理が作れます」みたいな感覚で子育てを語るなと思います。

自分は関係ないとでもいうような、無責任で矛盾まみれの論調には心底うんざりしています。

私が「こどもをダメにする親」なら、それをあおる人たちはその親を追い込んで拍車をかけているじゃないか!と言いたい。

自転車の練習中に何度も転んでいるこどもに対して「そうじゃない!」「こうしないからダメなんだ!」「もっとああしなさい!」とまくし立てているのと同じことを親にしているということを自覚してもらいたいものです。

そういうどちらか一方に偏った意見を我が物顔で喋り散らす評論家とか大っ嫌いです。

子育ては本当のところ「親育て」

「こどもを苦しめるつもりはないのに苦しめてしまう」

そんな自分の葛藤を声を荒らげて吐き出してしまいましたが、「こどもよりも親の私が大変なんだ!」なんてことが言いたいのではありません。

ただ、「こどもをダメにする親」という文字を目にするたびに自分に当てはめて自らを追い込み、それが結果こどもに向いているかもしれないということを少しだけわかってもらえたらと思いました。

悩んでいる親はただでさえ自分を責めています。だから、他人から責められることを恐れて声を発することもできません。

今回私が書いた記事も、受け手によっては不快な思いをするかもしれませんね。

「良かれと思って書いた人」

「親の育て方に不満を持って育った人」

「自分では完璧に育児をこなした(こなせる)と思っている人」

などでしょうか。

言いたいことも感じ方も人それぞれですので、それを否定するものではありません。

あくまでも私個人の意見だということを付け加えておきます。

子育ては育てられるこどもと育てる親が主役です。

立場の弱いこどもを守ることだけに焦点を当てるのではなく、渦中の親御さんにももう少し温かい目を向けてもらえたらと思います。

いじめられっ子(こども)を守ろうとするあまり、いじめっ子(親)をよってたかっていじめていては本末転倒だと思うのです。実はケアが必要なのは「いじめっ子の方だった」ということも少ない事例ではありません。

そう考えると、親を守ることは結果としてこどもを守ることにもつながるのではないでしょうか。

“子育ての方法を間違えてこどもをダメにする”というよりも、“親の子育ての方法が間違っていることをこどもが教えてくれている”というニュアンスの方がしっくりくる気がしませんか?

結局のところ、我が子の子育ての正解を知っているのは、他でもない我が子だけだと思うのです。

こどもの声にしっかりと耳を傾けていれば、親が子をダメにすることなど決してないと信じています。

というわけで、そういう本やサイトなどを盲信するのはやめましょう!自分で自分の首を絞め兼ねませんからね!

このままで大丈夫かな?と少し不安に思うことは、むしろ健全な親御さんだと思います。

「自分は絶対間違ってない」と思い込んでいる人こそ、少し自分を疑ってみることが必要なのかも知れません。

「いい加減が良い加減」

大好きな言葉です。

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