言いたいことをストレートに言葉にできる人って世の中にどれくらいいるんでしょう。
オギャーと産まれたあの日から、本音を心の奥にしまう訓練を積み重ねて今日まで生きてきました。
お腹が空いたら泣いて、
オムツが汚れたら泣いて、
暑くなったら泣いて、
寒くても泣いて、
病気にかかって泣いて、
痛くて泣いて、
驚いて泣いて、
怖くて泣いて、
さみしくて泣いて。
赤ちゃんの頃は、心をありのまま表に出しても咎められることはなく、お父さんやお母さんが全ての願いを思い通りに叶えてくれました。
心理学のことはわかりませんが、この”ありのままの自分を無条件に受け止めてもらえる最初の期間“が精神面での大変重要な基盤になるだろうということは感覚的にわかります。
保育園や幼稚園に通い出す頃になると、今までのように何でもかんでも思ったとおりに運ばないことを学習します。
『あれ?今までは良かったのにどうしてダメなの?』と感じているけれど、それを伝える語彙がないので癇癪を起こします。
その癇癪を正しく受け取って消化させてあげる方法を知りたいですが、どうすることが正解なのかは私にはわかりません。
記憶にはありませんが、私の幼少期を想像すると、父と母の性格から言って恐らく泣こうがわめこうが『ダメなもんはダメー!』と我慢させられたのではないかと思います。
この時に、『本当は使いたかったね』というように、我慢させられた思いを言葉にして寄り添ってくれると、癇癪を言葉に変換する段階に入れるような気がします。
『このイヤな気持ちは、本当は使いたかったかったのに我慢させられたからなんだ!』
と言葉で理解することで、自分の思いを態度ではなく言葉で伝えるという人間らしい表現ができるようになるのだと思います。
私自身も息子たちにたくさん我慢させて来ましたが、彼らの思いを毎回言葉にして理解してあげてきたかと問われれば、残念ながら答えはNOです。
だから長男は、その思いを絵に書いて吐き出していました。言葉にはできないし、態度に出すと私が余計に怒るとわかっていて、小さい胸に溜めて溜めて溢れた気持ちを絵に書いていたんです。
受け止めてあげるはずの母親が、小さな息子を追い詰めていました。
今でも時々やってしまいますが、『うるせえなクソババア』が言えるようになったので、大丈夫…です…多分(^^;)
その暴言の後で、お互いの気持ちを言葉にして伝え合うようにしています。長男が言葉に詰まった時は、私が代弁しながら誘導します。
喧嘩のあとの気持ちの吐露合戦は我が家の絶対ルールです。
そして次男は現在小2ですが、未だに癇癪を起こしています…。
長男に手を焼いていたので問題視するのはいつも長男だったのですが、次男に対して手薄になっていたせいでしょうか…愛情不足なのではと心配になっているこの頃です。
好きなことに関しては、まー勝手に延々喋ります。おんなじことを何度も何度も(笑)
私が手を止めてゆっくり話を聞いてあげることが少ないせいだと思っています…。
でも、自分の気持ちを言葉にすることは苦手のようで、ゆっくり聞いても言葉がなかなか出て来ないことが良くあります。そのギャップが凄い。
長男と話し合って来たことを今度は次男と話す時期に来ているようです。
それから次男はかわいいぬいぐるみが大好きなんです。
長男は一つのぬいぐるみをずっと大事にしているんですが、次男はかわいいぬいぐるみをみつけるとすぐに欲しがります。古いものを欲しい人にあげようと言うと嫌がります。全部がお気に入りなんですね。
これも、愛情不足の表れなのではと感じています。
下の子に手が掛かりっぱなしで上の子が寂しい思いをするケースが一般的には多いでしょうが、我が家は長男が問題児で次男が大人しくしてくれていたので逆転現象が起こってしまったようです…。
足りていない愛情を充填せねば!です。
そしてそんな息子たちを見ていると、自分のことも客観視できるようになりました。
言いたいことを我慢して、夫に対する態度がつっけんどんになることないですか?
そもそも言いたいことを我慢していることに気がついてもいない、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうだとしたらちょっと根が深くなってるかもしれませんよ。
心のメカニズムって目に見えないのでサッパリわかりませんけど、どうやら自分が一度『言いたい』と思ったことはちゃんと言わないといけないシステムになっているようなんです。
言わないで我慢してしまうと、それを相手に伝えるまでモヤモヤは絶対に消えません(『言っても無駄だな』と自分の中で完全に腑に落ちている場合は除きます)。
それを我慢すると、意図せずにつっけんどんな態度を取ってしまいます。
『なに怒ってるの?』『なんでもない!(怒)』はその典型な気がしますね。
心の中の本音がつっけんどんでサインを送るんです。
頭では『こんなこと一々言うなんてみっともない』と思って一旦言わずに我慢したけれども、自分の本心はそう思っていないのでいつまでも訴えかけてくるのです。
それを繰り返すことがどれほど自らの精神と相手とに悪影響を及ぼすかがお判りいただけると思います。
自分の思ったことは上手に口に出しましょう。
それを相手に『とりあえず一旦受け止めてほしい』と伝えてみましょう。
受け止めてもらうというのは『私はこう思っている』ということを相手に知ってもらうということです。
その気持ちを一度受け止めてもらったあとで、相手の考えを話してもらうようにお願いしてみましょう。
同じことのようですが、話した途端に否定されるのとは全く意味が違います。
『自分の言っていることがおかしいことはわかっているけど、本心ではこう感じているの』と伝えると、受け止めてもらいやすいかもしれませんね。
人の心はとっても奥が深いです。