アンパンマン問題 もう卒業しなきゃダメ?

あなたのお子さんの好きなものはなんですか?

我が家の長男(小三)は、今もっぱらゲームにハマっています。ゲームのためなら朝5時台に起きることも厭わないほどの入れ込み様です。1時間の約束も、「セーブするまで待って」だの、「もうちょっとでボスを倒せるからあと10分!」だのと伸び伸びになって、もう何回「1時間だってわかってるんだからそれに間に合うように早めに終わる準備をしなさいって言ってるでしょー!!」と大声を張り上げたことかわかりません。

そして次男(小一)はというと、ちびっこに大人気の「アンパンマン」が大好きです。小さい時からアンパンマンが大好きで、寝るときには取っ替え引っ替えお人形を布団まで運んで一緒に寝ています。現在はピカチュウだったりミッキーだったりヨッシーだったりと、日によってキャラクターが入れ替わるようにはなりましたが、彼にとってアンパンマンは未だに特別なお友達なようです。

アンパンマンは赤ちゃんのもの?

そんな次男が年長さんの頃、幼稚園でお友達からアンパンマンが好きなことをからかわれてショックを受けて帰って来たことがありました。

その日は黙っていたので気付かなかったのですが、翌日私がお弁当の準備をしていると、次男が急に「お母さん今日からマリオのお箸セットにして」と言いました。次男はマリオも好きなので、マリオの方が好きになって来たのかな?と深く考えずに、用意していたアンパンマンのお箸セットをマリオのものと取り替えました。

なんの気なしに「アンパンマンはもう使わないの?」と聞くと、次男が「〇〇くんに、まだアンパンマンなんて好きなの?赤ちゃんみたい!って言われたから恥ずかしい」と言って泣きました。

私はこれを聞いて、自分でもなんとなく“そろそろアンパンマンは卒業する時期だよな”と思っていたことや、実際にそういうことを次男に言っていた自分の偏った考え方に初めて気が付きました。

確かにアンパンマンのおもちゃは1歳から4歳くらいまでを対象にしたおもちゃが大半で、いわゆる「赤ちゃん向け」です。私自身も、誕生日やクリスマスに「アンパンマンの××が欲しい」と言われても「箱に3歳までって書いてあるよー。3歳なの〜?」なんて、何も考えずに次男に言ってしまっていました。世間一般的にそういった感覚があるのも、おもちゃの外箱の「対象年齢」が多少なりとも影響しているんじゃないかという気がしています。

甥っ子が遊びに来た時に、数あるアンパンマンの人形のうちの一つをえらく気に入ってしまい、たくさんあるし!という私の手前勝手な考えで次男に我慢させ、次男の手から直接甥っ子にぬいぐるみをあげさせたことがありました。

甥っ子とアンパンマンの乗った車が見えなくなってから、次男はワンワン泣きました。

たくさんあるけど全部が大事だったんですよね。

それを見て、夫と二人でいたたまれなくなりました。

対象年齢なんていうものは、提供する側の大人が勝手に想定しただけのものであって、それ以上だろうがそれ以下だろうがこどもが気に入れば別にいいんですよね。それなのに私は「アンパンマンはもっと小さい子のもの!」と、どこかで勝手に決めつけていたんです。

我が子の気持ちよりも体裁を気にしていました。

好みはその子その子によって違います。

成長には個人差があります。

年齢で一括りにするのは少し乱暴だと思うようになりました。

大人の影響

「どうしてアンパンマンを卒業しなくちゃダメなの?」って聞かれたときに、未だに次男を納得させられる答えは思いつきません。

あの時次男に「まだアンパンマンが好きなの?」と聞いて来たお友達も、きっと大人に同じことを言われた経験があるんだと思います。

そしてつい先日、同じ1年生の仲良しの子が遊びに来た時に、私にこっそりと「△△(次男)ってまだアンパンマン好きなんだね。赤ちゃんだ!」と言いました。更に、「△△(次男)が幼稚園でお友達に赤ちゃんって言われたから、学校のみんなにはアンパンマンが好きなことを秘密にしてるんだって」と教えてくれました。

私は、「そうなの。前に赤ちゃんって言われて悲しかったみたいでね、本当は好きなのに嫌いなフリしてるんだ。」と言いました。

小学校低学年では、常に相手のことを思って話すのはまだ無理です。

その子に「そういうこと言わないでね」というのも違います。それを言うのは次男本人でなくてはいけません。

私にできることは、次男の心のケアだけ。

次男が集団生活をして行く限り、自分にとっていいことばかりじゃないことも学ばなければなりません。傷ついても立ち直って歩いていかなければなりません。ましてや一年生。思考と言動が直結している年頃です。傷つけあって仲直りして人の気持ちを学び、仲良くなっていきます。

自分の経験からも、お友達にからかわれることも大人になるのに必要な過程だと思っています。隠しておいた方がうまく行くこと、ありますよね。(隠し事って大人のニオイがして少々寂しさもありますが・・・(笑))

私の役目は、次男の気持ちを吐き出させてあげて、丸ごと受け止めてあげること。

我が家の「アンパンマンが好きでもいいんだよ!」というスタンスは、彼が自主的にアンパンマンを卒業する日まで、変えずに行こうと思っています。

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