学校に行きたくない

我が家の界隈ではいよいよ雪が降り始め、一晩で辺り一面が銀世界へと早変わりしました。

ただでさえ布団から出るのが辛く、登校が億劫になるこの季節ですが、我が家のボンズ達がここのところ立て続けに『学校に行きたくない』と言って登校直前に泣くという出来事が起こりました。

今日はその事を。

今までにも何度か『学校行きたくない…』とグズグズもらしていたことはあったのですが、寝坊した日や、宿題をやらなかった日や、授業でやりたくないことがある日などが主でした。

「今ならまだ間に合うよ!」

「早めに行って朝のうちに宿題できるとこまでやっちゃったら間に合うんじゃない?」

「今日行かなくても次は行かなきゃならないよ?」

などと、その都度その場に応じた発破を掛けて背中を押してきましたが、さすがに泣いてまで訴えてきた今回は慎重に話を聞くよう注意を払いました。

最初は長男でした。

中二の長男の登校拒否

現在中学二年生の長男のクラスは、二年生全員に当たる40数名が一つのクラスに収まっています。

つまり、中学一年生から三年生までの三年間をほぼ同じメンバーと過ごさなければならないため、仲良しの子とずっと同じクラスでいられるのが嬉しい反面、苦手な子とも三年間離れられないという側面もあって、クラスでうまく渡りあえない子どもにとっては長くて苦しい期間となってしまうこともありえます。

しかも、このメンバーは小学校からの持ち上がりで、他校から1〜2名の子が転入してきたり転出するくらいしか変化がなく、一緒にいる期間が長い分だけ衝突しやすくなっているのかも知れません。(ちなみに、小学校では2クラスに分かれていました。)

長男が泣いて訴えてきた理由は、一人のクラスメイトの自分に対する言動に心を痛めていたからでした。

実は以前からこのクラスメイトとは折り合いが悪く、何度かムカつくだのなんだのと家で愚痴っており、その都度話を聞いてなだめたりしていたのですが、今回は見学実習で同じグループになって行動を共にすることになり、少人数のグループ内ということで風当たりが強くなり、我慢の限界を迎えてしまったようでした。

今回の長男の場合は、実習中の行き先などで自分の意見を出した時に、『お前はいいから黙ってろ』というようなことを言われたと言っていました。

長男は言葉でコミュニケーションをとるのが得意ではないので、言われても反論したり言い返したりすることができず、言われた言葉が胸に刺さったまま黙って耐えるしかできません。

この一言だけが原因ではなく、何度も同じようなことを経て、我慢の限界が来たのがこのタイミングだったということです。

でも、長男にも悪いところがあったのかも知れません。

小学生の頃に友達と喧嘩をして泣いて帰ってきたことがあり、長男の話を鵜呑みにして先生に相談を持ちかけた結果、実は長男も対等に応戦していたことがわかってその子に私からも直々に謝ったという経験があったため、相手の言い分もあることは念頭においていました。

都合の悪いことは隠しておきたいのが人間だし、わざとではなくてもされたことで頭がいっぱいで自分のしたことが頭から抜け落ちていることもあるかも知れないと思いました。

それを踏まえつつ、長男には「先生に相談しておこうよ」と提案しましたが、長男は『…しなくていい。』と拒否しました。

「このことを相談できる友達はいるの?誰かに話してる?」と聞くと『話してない』というので、「なら尚のこと相談した方がいいよ。一人でも知っていてくれる人がいるだけで違うんだよ」と伝え、「本人の耳に入れたくないなら先生に頼めばそうしてもらえるんだよ」と念を押して、なんとか先生に連絡する旨の許可を得ました。

先生には上記の内容を伝えました。

「何もしなくていいんですが、本人はそんな気持ちで通学してます」というような電話連絡でしたが、先生はその日の昼休みにこっそり長男を呼び出して話を聞いてくれたようで、その日長男はなんともスッキリした表情で帰宅したのでありました。

先生からも、「本人(長男)に話を聞き、“このままでとりあえず良い”ということでしたので、何かあればすぐ教えて欲しいと伝えました」と電話をいただきました。

この時は先生から相手の子に何かを言ったわけではないようでしたが、後々長男以外にも同じような態度を取られて悩んでいる子がいたことがわかり、友達からたしなめられたりしたこともあって、その子の長男に対する態度は軟化し、今日も普通に通学していきました。

しばらくしてから長男が次男に『先生に相談した方がいいよ』とアドバイスしているところを目撃しました。

すぐに対応してくれた先生や、やめろと言ってくれたクラスメイトには親子共々感謝しています。

言葉で解決できないうちは、同じようなことが起こりそうですが、その都度本人に頑張ってもらうしかないと思っています。

そしてその二ヶ月後、今度は次男が泣く番でした。

小6の次男の登校拒否

ある日とても不機嫌そうに帰宅した次男。

「どうした?何かあったの?」と聞いてみると、不貞腐れたように『別に。』と一言。

(こりゃ何かあったぞ)と内心思っていましたが、この時はとりあえず放置。

そっとしておけば治るかもと思ってのことでしたが、次男の不機嫌は就寝まで続きました。

その間にも「何があったのさ」とそれはそれはしつこく聞いたのですが、『何もない!』の一点ばり。

でもお母ちゃん、次男の気持ちは手に取るようにわかる。何もないわけはないと思っていました。

で、その翌朝です。

起きても一向に着替えない。

朝ごはんも食べない。

ランドセルも持ってこない。

いよいよ何があったか言わせねばと思い、今一度尋ねてみると、『…元友達のこと。』と言いました。

次男は低学年の時に毎日のように一緒に遊んでいた友達の態度に少し前から傷付いていました。

次男の学年は2クラスに分かれているのですが、学校で行う行事のグループ分けでその友達と同じグループになり、こともあろうにリーダー気質ではない次男がジャンケンでそのグループのリーダーになることになり、決まった当初からただでさえプレッシャーを抱えていました。

そこへ来て、口の達者なその友達から「は?」だの「聞こえない」だのと、ほとんどストレスの捌け口のようなことを言われ続け、ついには心が折れたようでした。

しかも、そのグループは5人ほどのグループなのだそうですが、そのうちの3人がその友達と同じように次男に接してくるようで、逃げ場がないようなのです。

『もう絶対行きたくない!』と、次男にしては朝からたくさんの気持ちを言葉にして吐き出し、近年稀に見る大泣きをして訴えてきました。

聞いていて私のはらわたまでもが煮えくり返ってきましたが、グッとこらえて、この時も「先生に相談しとこうか」と次男にも持ちかけて、最初は気の進まなさそうだった次男を長男と同じ方法で説き伏せて、朝のうちに次男の横で担任の先生に電話で相談しました。

「お父さんもお母さんも次男の味方だよ。先生にも話してあるから大丈夫だからね。」と念を押して、学校へ行くよう促しました。

その日次男は、通学に20分かかる距離であるにも関わらず、登校時間の10分前に渋々家を出て学校へ向かいました。

遅刻したにも関わらず、あとで先生に「いじめられても頑張って学校に来てえらいね」と言われたそうです。

そして、次男が学校に行きたくない理由を先生に話し、相手のことも聞かれたので話したそうです。

学校内での絶対的な存在は先生なので、その先生に事情を知っていてもらうということは絶大な後ろ盾をもらったも同じこと、次男は長男と同様に清々しい顔をして帰宅しました。

うちではどうしても嫌になったら休めば良いよというスタンスで子ども達には話していますが、その前に自分ができることはやろうというのが前提です。

自分が嫌だと思うなら本人に伝えて、それができないなら先生に相談して、それでもダメなら休むこともやむなしと伝えています。

イライラの原因が学校の友達の一言にあるのなら、そのイライラはその友達に言葉で返さなければいけないこと。

他の人や物など、関係のないものに八つ当たりするのは筋違いであること。

同じことをやり返したら自分もいじめっ子になってしまうこと。

自分でもなかなか出来ていないことですが、子ども達に話しながら自分の肝にも銘じています。

大人の中でもイジメや嫌がらせを無くせていないのに、未熟な子ども達の中で無くせるわけがないのですよね。

子どもの社会は大人社会の縮図です。

親の背を見て子は育つといいますが、親もまた、子の背を見て自らを省みる必要性を感じます。

いじめの行末は戦争である、と。

それが嫌なら言葉で解決する努力をしよう、と。

子ども達には繰り返し繰り返し伝えています。

現状は変わらなくても、自分は一人ではないと知ることでまた立ち向かう力が沸くのだと思います。

子どもがくじけるたびに暖かく迎え入れ、自分たちはいつでも味方だと繰り返し伝えること。

私たちにできることは、この二つしかないと思っています。

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