お子さんに突然
「今日は幼稚園休みたい」
「もう学校に行きたくない」
などと言われた経験はありますか?
昨日まで元気に通園・通学していた我が子が突然そんなことを言い出すと、心配でどうにかしてやりたいと思いますよね。
我が家でも年に数回そんなことが起こります。
幼稚園に行きたくなかった長男への対応
通園し始めたころの「行きたくない」
はじめて長男が「幼稚園行かない!」と言って泣いたのは、年少組のときでした。
長男はプレ(年少組より小さい幼児が対象の保育)には行かず、4歳になる歳からいきなり年少組に入園させました。
産まれた時から入園するまで四六時中私と一緒に居た長男が、その日からいきなりお母さんと離され、一人でバスに乗り、知らない幼稚園の知らない先生と知らない子どもたちの中に放り込まれて何時間も過ごさねばならないのですから、長男の不安とストレスの大きさたるや想像に難くありません。
母親である私自身も、初めて身内以外に長時間長男を預けることへの不安と寂しさでいっぱいでした。涙で滲んだバスが角を曲がって見えなくなるまで手を振って見送ったあの朝のことは今でもはっきりと覚えています。母になれなかったら知ることのできなかった感情でした。
初めてのバス通園の日こそワケも分からず自分からバスに乗り込んで元気いっぱいに通園して行った長男でしたが、翌日バスに乗る時には、私の首の後ろに両手をかけてしがみつき、泣きながら先生に私と引き離されてバスの窓から泣き叫んでいました。
親同伴でプレに通っていたら、一人で通う時にもう少し気持ちに余裕が持てたんだろうな…と今になって思いますが、長男には申し訳無くも、あの当時は例え週数回にしろ当時1歳前の次男も連れて幼稚園に通う余力が自分にはありませんでした。
そうして日一日と園生活にも慣れ、お友達もでき、だんだんと幼稚園が楽しい場所だということがわかってきても、時々フッと気が緩むと「行きたくない」と言っていました。
最初の数ヶ月は行きたくないと言っても行かせました。
何が正解なのかはわからないけど、「始め」が肝心なことは感覚でわかっていました。
慣れ親しんだ環境から全く別の新しい環境へ足を踏み出すことは、大人でもしんどい作業です。それに加え、初めて親元から離れなければならないのですから、長男の「行きたくない」という感情は正常な感覚です。
でもだからこそ、ここを乗り越えてもらう必要がありました。
「大丈夫だよ」
「幼稚園は楽しい場所だよ」
「先生もお友達も待ってるよ」
「たくさん遊んでおいで」
「お家に帰ってきたら〇〇して遊ぼうね」
毎朝そんな声掛けをしていました。
我が家は二人ともバス通園だったので幼稚園まで送っていった場合とは比較できませんが、毎朝自宅の前まで園バスが迎えに来てくれたことは、早く園に慣れるのには良かったと思っています。
良かったと思う点は二つ。
①まず、迎えに来たバスにすでに園児が乗っているということ。「みんなちゃんと一人で乗ってる」と思うと頑張れますよね。慣れないうちは自分が乗った後で泣きながら乗って来る子もいますが、その子を見て「自分だけじゃない」ということも少しずつわかって行ったのだと思います。
そして、「発進すると案外ケロッと泣きやみましたよ〜」と先生(^^)
②もう一つは、自分の足でバスに乗るということ。抱っこして座席まで行って座らせてあげるなんてワケには行きませんので、イヤでも自分で乗ります。この「イヤだけど自分で乗った」ということが結構諦めつくというか、「やらされたんじゃなくて自分でやったこと」なので切り替えやすかったのかな〜?と思いました。
「早く乗らないと次に乗る子たちを待たせちゃうし、遅くなるとみんな困るよ〜!」と言えば、ちゃんとわかってくれました。
そして「乗ったら最後」、腹をくくるしかないですのでね(笑)
大型連休明けの「行きたくない」
そんなバス通園開始初期でしたが、G・W明け、夏休み明けなどには決まって「行きたくない」が始まりました。
「休みボケ」というヤツです。
ですが、この時も休ませずに行かせました。
ここで休ませてしまうと、いわゆる「休みグセ」が付いてしまうと思ったからです。
長期休暇の後は休みたくなって当たり前です。
ここでうっかり休ませてしまい、「この気持ちの時は休んでもいいんだ!」なんて誤ったことを学習させてしまったら、長期休暇の度に同じことが起こり、私も「もう休んじゃダメ!」なんて一貫性のないことを言う羽目になって子どもを混乱させた挙句、最初の経験が最悪大人になっても記憶に残ったまま・・・仕事も簡単に休むようになったりして・・・((((;゚Д゚)))))))
なんて考えにまで至りました。すみません妄想族なもので(笑)
上記の2パターンの「行きたくない」への対処法は、自分なりに考えて出した結論です。
それが果たして良かったのか悪かったのかわかりませんが、現在は長男も次男も大型連休明けや春・夏・冬休み明けでも元気に通学していきます。
突然の「行きたくない」
さて注意したいのが、集団生活にもすっかり慣れ、昨日まで楽しそうに通園・通学していた彼らの口から唐突に「休む」という言葉が飛び出した場合です。
幼稚園児だと「お友達に意地悪された」がダントツではないかと思います。
ある子が一定の子に意地悪をしたりからかったりしているなんてケースがあります。「ふざけて遊んでいるつもり」とか「好きだからいじめちゃう」部類でしょうかね。
でも中には見ている大人もイラっとするような言動をする子もいますので、被害を受けている子は結構なストレスを溜め込んでいるのではと心配になります。
逆に自分が意地悪をして先生に叱られた、なんて場合もあるかもしれませんね。この場合は自分からは理由を言いづらいので聞いても言わないかもしれません。
息子たちの様子がおかしかったり、「幼稚園に行きたくない」と言われた時は、何があったかを聞き出して、まずは受け入れてあげるようにしています。
たとえ話してくれた理由が息子たちに非がある場合でも、理論正論あとまわしでまずは受け止める。
事と次第によっては時々頭に血が上って理詰めでまくし立ててしまうこともありますが(オイ!)、あとで同じことを伝えるにしても、一旦彼らの気持ちを受け止めてやると落ち着くんですよね。
いきなり
「なんでこんなやり方するんだ馬鹿野郎!」
と言われるのと
「どうしてこうやったの?」
と聞かれて自分の意見を答えた後で
「そうなんだね。こうすると楽なんだよ」
なんて言われると、スッと言葉が入ってきて素直に反省できますよね。
子どもも大人も一緒なんです。
沸々と湧き上がった感情は、受け止めてもらうことでしか治まりません。
でも逆に言うと、わかってもらえさえすれば案外あっさり落ち着くものです。
「自分が正しい」とか「正しくない」とかではなく、どんな自分でも認めてくれて、受け止めてくれる人がいることが、心が折れそうになってもまた立ち上がって向かっていく時に大きな支えとなってくれるんです。
それこそが家庭=安息の地だと思っています。
…それから「先生が苦手(怖い)」なんてのもたま〜に聞きますね(^_^;)
こういう場合はちょっと大変ですね。
先生に相談したいけど、悩みの原因がその先生だった場合、直接ご本人に話すのはかなり勇気がいりますよね…。
他の先生(副園長先生とか副担任とか)に相談してみると、何かしらの対策を練ってくれるかもしれませんね。逃げ場があると頑張れますので、味方を作っておいてあげるといいですね。
いじめ
小学校に上がると問題は少しずつ深くなっていきます。
そしてそれは学年が上がるにつれて顕著になります。
ただのケンカなら問題ありませんが、いじめられている場合はいち早く気がついて対策を講じることがとても重要です。
自分がいじめられていることは親には言いたくないものです。
自分が中学生だった時の経験でお話しすると、「心配かけたくない」とか「カッコ悪い」とかの前に、「親に話したことがみんなにバレて、この状況がさらに悪化することが怖い」のです。
親が自分の味方であることはわかっています。
先生も恐らく味方でしょう。
でも、その親も先生も、いつも自分の横にピッタリとくっついて四六時中守ってくれるわけではありません。
自分の身は自分で守らなければいけないことは重々わかっているのです。
親や先生に助けを求め、一時的に状況が良くなったとしても、それでは根本的な解決にならないことを自分が一番良くわかっているのです。
「やめろ!」と相手が怯むような大きな声ではっきりと言える自分にならなくてはと思いつつも、それができずにひたすら耐え忍んで毎日自分自身と戦っているのです。
でも、今になってわかることがあります。
助けを求めるのは、
「助けを求めた人に自分の代わりにその状況を打破してもらうため」ではなく、
心が折れそうになっても
「自分は一人じゃない。わかってくれている人がいる」
ということを力に、自分で問題を乗り越えるためだということです。
担任の先生が公平な目を持ち、全体の様子をくまなく見てくれる方の場合は先生に相談してみると解決する可能性が高いです。
先生に相談しても、「いじめている相手には何も言わないでしないで欲しい」と伝えることもできます。
話しておくことで先生がたまたま見つけてくれるかもしれません。
どう転んでも自分一人で戦うよりはマシです。
イジメが学校に行きたくない原因なら、何日か学校を休むことも必要かもしれません。
勉強についていくことより、皆勤賞を取ることより大切なことがあります。
学校は一箇所ではありません。
息子たちがいつかSOSを出すことがあったとき、いち早く気が付いてやれる親でありたいです。
もちろん、息子たちが「いじめの加害者」にならないように、引き続き道徳はきちんと教育していきたいと思います。
結局どちらにも言えることは、子どもの様子を観察し、子どもの異変をいちはやく察知し、こどもの声に耳を傾け、子どもの思いを汲んでやることが大切だということです。
その上で、子どもが本当はどうしたいのかをもう一度聞いてみましょう。
子どもを助けるために、子どもを置いてきぼりにしないこと。
子どもと一緒に解決することが何よりも大事なことです。